医療法人宏仁会 本庄記念病院

外来案内 Ambulatory

整形外科

骨・筋肉・関節・靭帯・神経など、運動に関わる部位の疾患や損傷の診断と治療をおこないます。痛⾵や関節リウマチの治療にも対応しています。

診療スケジュール

患者さまは受付窓口で症状をお伝えください。症状に応じて担当の医師が診察させていただきます。なお、受診科および医師の希望がある場合は受付にお伝えください。

2025年1月30日 更新

午前 内藤 内藤 内藤 宇野
廣島
有本
午後 宇野
廣島
有本
午前 午後
内藤
内藤
内藤
宇野
廣島
有本
宇野
廣島
有本

代表的な疾患

骨折
骨が外部からの衝撃や負荷で折れた状態です。場合によっては手術が必要になります。
脱臼
外力によって関節が正しい位置から外れた状態です。
変形性関節症
加齢などにより関節の軟骨がすり減り、痛みや変形を伴います。主に膝や股関節に多く見られます。
椎間板ヘルニア
背骨の間にある椎間板が押し出され、神経を圧迫することで腰痛や脚のしびれを引きおこします。
脊柱管狭窄症
背骨の中の神経の通り道が狭くなり神経を圧迫して痛みやしびれを引きおこします。
腱鞘炎
主に手指を使いすぎることにより、腱を包む腱鞘がこすれあうことで炎症がおこり、痛みを生じます。
スポーツ障害
スポーツ活動中に発生するケガや慢性的な痛みで、靭帯損傷・半月板損傷・疲労骨折なども含まれます。
骨粗鬆症
更年期以降の女性、高齢者に多く見られます。骨がもろくなり骨折しやすくなります。
痛風
尿酸という物質が関節の中で結晶になることで、関節に強い痛みを引きおこします。
関節リウマチ
免疫の異常により関節に炎症がおこり、関節の腫れや痛みなどを引きおこします。

診断

X線(レントゲン)、CT、MRI、超音波などの画像検査により、骨や関節、筋肉の状態を確認します。

治療

保存療法
手術をおこなわず、薬物療法や物理療法、装具の使用などで治療します。
手術療法
骨折の整復、人工関節置換、靭帯の再建などにより機能を回復させるためにおこないます。
リハビリテーション

ケガや手術後の機能回復を目指し、専門のリハビリ指導を受けます。

同じ整形疾患でも患者さまによってゴール、⽬標は異なります。より快適な⽇常⽣活を送ることを⽬標とし、できるだけ希望に添った⽣活ができるよう、スタッフ⼀同でサポートしていきます。

主な症例と治療法

膝の痛み

変形性膝関節症

症状
ひざの上の骨と下の骨がこすれ合う表面を覆う軟骨(関節軟骨)が徐々にすり減ってくるためにおこります。
原因

体質、年齢、女性、肥満、筋肉の弱さなど(下図)。このようになると関節表面は滑らかではなくなり、動かすと互いに摩擦が生ずるようになります。膝関節に炎症(痛む、熱を持つ、腫れる、水がたまるなど)が生じて膝関節症となります。

変形性膝関節症の原因イメージ

治療・予防

膝関節症は5年~10年と長い年月をかけて徐々に初期から中期、中期から末期へと進行してしまうこともあります。
適切な治療をおこなえば進行をおさえ、ずっと平穏な日常生活を送ることは可能です。
膝関節症は生活習慣病の一つです。医療機関での治療とともに、自宅での生活の仕方、適切な運動、食事や自分でおこなう対処法が大切です。その中心となるのが運動(リハビリ)療法です。

運動(リハビリ)療法

当院リハビリセンターでは、専門のスタッフが運動(リハビリ)のやり方を指導します。
運動といっても、走ったり屈伸したりする方法だけではなく、できるだけ痛みを感じずに簡単におこなえる方法です。
この運動をおこなうことによって、2~3週間のうちにひざ関節の痛みや腫れに対する効果が感じられます。
その効果は、抗炎症剤(痛み止め)や関節注射(ヒアルロン酸)などと同じかそれ以上であることが学会で証明されています。
そして、この運動療法を継続することによって、下肢の筋肉が少しずつ強化され、関節の痛みに予防にもなります。

関節症が進行してしまった方(O脚が著しい方)ではこの方法の有効性は低下しますが、リハビリテーションを継続することで筋肉が強くなり、痛みの改善につながります。

運動(リハビリ)療法のイメージ

手術療法

リハビリテーションをおこなっても改善しない場合は、手術治療も検討します。これには関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。

※日本整形外科学会整形外科シリーズ から画像をお借りしております。

腰の痛み

腰痛は、有訴率第1位の症状です。日本人の8割以上が生涯において腰痛を経験しています。
腰痛をおこす原因はさまざまなものがあります。

腰に由来するもの

成長に伴っておこるもの

先天異常や側弯症、腰椎分離症など

加齢により生ずるもの

変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症など

外傷

腰椎骨折や脱臼など

感染によるもの

カリエスや化膿性脊椎炎など

腫瘍によるもの

転位癌など

腰以外に由来するもの

血管の病気

解離性大動脈瘤など

泌尿器の病気

尿管結石など

婦人化の病気

子宮筋腫や子宮内膜症など

消化器の病気

胆嚢炎や十二指腸潰瘍など

腰以外の整形外科の病気

変形性股関節症など

その他

身体表現性障害、統合失調症などの精神疾患や精神的なストレスによる心理的な原因による場合もあります。

診断

いろいろな原因があり、また病態により治療法が異なるため、正確な診断が重要です。必要に応じてX線(レントゲン)検査、MRI検査、血液・尿検査などをおこないます。
特に安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがするなどの症状を伴っている場合は、整形外科を受診されることをお勧めします。

保存療法

内服薬、ブロック注射療法、コルセットなどの装具療法、牽引などの理学療法、リハビリテーションなど

手術療法

保存療法でも症状の改善がみられない場合は手術が必要になる場合もあります。

予防

腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰え、また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛がおきやすくなります。
悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど日常的姿勢に注意し、また腰の支持性を高めるための運動や体操を継続することをお勧めします。
当院ではリハビリセンターのスタッフと連携して運動療法などの指導を積極的におこなっています。
腰痛でお悩みの方はぜひご相談ください。

リハビリセンター

関節リウマチ

関節内の滑膜という組織が異常増殖することにより、慢性の炎症を生じる疾患です。
進行すると関節が破壊され変形が生じます。
貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。

症状

両手、両足のゆびに腫れぼったさがでます。
朝起きたときに両手が動かしにくいことがあります。(朝のこわばり)
症状は多彩で、人によっては大きな関節(膝、股関節など)に痛みを感じることもあります。

間接リウマチの手の変形イメージ 間接リウマチの足の変形イメージ

原因

病態は、自己免疫疾患と考えられています。
遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられていますが、原因はまだ分かっていません。

診断

症状、血液検査、X線(レントゲン)検査などを用いて診断します。
「リウマチの血液検査(血清リウマトイド因子)が陽性」というのは診断基準の一つを満たすのみであり、この結果だけで関節リウマチと診断することはできません。

治療

関節リウマチでは早い段階での治療が大切です。
薬物療法として、抗リウマチ剤・非ステロイド性消炎剤・ステロイド剤・免疫抑制剤・生物学的製剤などを用います。

骨粗鬆症

骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
日本には約1000万人以上の患者さまがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。

症状

骨粗鬆症になっても、痛みはありません。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。

骨粗鬆症の原因のイメージ

原因

からだの中の骨は、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり、骨がスカスカになっていきます。骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。

診断

骨密度測定、X線(レントゲン)検査、血液検査などによって診断します。

予防

骨粗鬆症は予防が大切な病気です。

骨粗鬆症の予防のイメージ

  • 転ばないように注意する
  • カルシウムを十分にとる
  • ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムをとる
  • 適量のタンパク質をとる
  • 禁煙し、アルコールは控えめにする
  • 運動、日光浴をする

治療

内服薬や注射などによる治療をおこないます。骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。閉経後の女性は、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。

担当医

  • 内藤 友里野
    • 整形外科
    • リウマチ科
  • 宇野 治夫
    • 整形外科
  • 廣島 亮
    • 整形外科
  • 有本 竜也
    • 整形外科